On the way always

日々の記録と、思うこと徒然。自分のために綴ってます。

新しい愛、新しい光

描いて、消して、新しく描いてまた消して。

生まれては消え、また生まれては消える。そんな毎瞬間の連続で人生は続いていく。

 

 

紡いで、織って、また紡いで織って、重ねて、続けて。

そんな、想いを込めた丁寧な作業の連続で、目に見えないはずのものがかたちになる。育っていく。

 

 

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喫茶ラムピリカが開業して以来、変わらないことが二つだけあることに最近気がついた。

 

それは

 

・メニューにオールドビーンズ珈琲があること

・開店のたびに黒板絵を店の前に出すこと

 

 

 

 

黒板絵を描き始めたきっかけは、もう忘れてしまったけれど、最初はメニューに出ているカレーや珈琲ポットの絵や、その日の珈琲銘柄、開店時間なんかを一枚の黒板に載せていた。

 

 

 

 

開店から一年以上過ぎたある日、ふと思い立って、近所に住む友人に黒板絵を依頼してみた。

小さなお子さんがいる身で制作の時間を捻出してくれた彼女は、一晩じっくり黒板と向き合い、なんとも芸術的な一枚を仕上げてくれた。

 

この一枚をきっかけに、私は黒板とチョークを、舐めていたことに気づいた。

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シンプルな美しさにもとても惹かれた。

あれこれ情報を載せ過ぎないのもいい。

この1枚で、「絵だけで、ラムピリカが大事にしていることが、伝わる人に伝わればいい」そう思った。

 

そこからは、「たくさんの人に伝えたい情報を伝えるための黒板」ではなく、「私が描きたい絵」に重点を置いて描くようになった。

 

 

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なんだか描いても描いても気に入らなくて、そのまま開店時間が来てしまって、閉店後に描き足したり引いたりと苦戦するときもあった。

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好きな人とデートした次の日、腕がするすると気持ちよく動いて、ほんの15分ほどであっという間に大納得の一枚が描けた日もある。

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深夜に急に描きたくなって、明け方まで描き続けるのをやめられなかった夜もあれば。 

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巨匠の絵を模写し始めたら、見る以上に模すことでその完成度の高さ、クオリティとセンスのすごさが実感されすぎてしまって

「うっわーーーー!」

「なんじゃこりゃうっわーーー!!!!」

「やっ、、ばい!!!」

夜中中変な声を上げながらチョークを走らせたこともあった。

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時々友達に描いてもらう新鮮さも楽しんだ。

まさか一緒にプロジェクトをやるようになるだなんて思ってもみなかった頃のカヤノさんによる一枚。(希少)

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プレゼントにいただいた花と真夏の明るい陽射しが着火点で、溢れるみたいに咲いた向日葵。

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開店のたびに描き直す訳でもなく、ただ描きたいと思ったときに描いてきた。

 

 

 

他人の目も、そりゃ気になるけれど。

誰がなんて言おうと自分だけは大好きだと言えるような一枚をと願いながら黒板に向かい続けた。

 

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どんなに気に入った作品が出来上がっても、数日後には潔く黒板消しを動かして、きれいさっぱり消してしまう。それが、黒板絵のいいところだ。残るものがあったとしたら、『黒板に向かって来た日々』だけだ。

 

正直、気に入った作品ができると、ちょっと惜しいなと思う。

だけどそれでも、黒板が再びツルッツルのピカピカ、真っ黒の無垢な状態に戻った時の清々しさ。湧き出してくる「さあ、また始めるか!」感。

 

この強烈な爽快感に毎度、心身が潤い、胸はひどく踊る。

 

 

 

私は、ラムピリカの開店からずっと、ほとんどの時間を片瀬に暮らしてきた。

 

少しだけ片瀬を離れて、鎌倉で新しい家族と暮らしたこともあった。だけど当時の家族とはどうしても、「一番大切にしたいもの」が共有できなくて別れを選んだ。

 

喧嘩の末に、手早くまとめた少ない荷物を持って住み慣れた家の玄関に立った時、子どもたちが叫んだ。

 

「新しい未来へ、しゅっぱーーーつ!!!」

 

なんてすごい人たちなんだろうと、笑った。(笑)

 

 

 

そして2018年。

来月、片瀬以外の場所に再び新しい住まいを持つことになった。

 

私の好きな人が、この春湘南に引っ越してくるのに併せて「一緒に住むのは面白そうだね」と提案してくれたことがきっかけだった。

 

そうだね、と二つ返事で応えたのは、「ひとり」を大切にできる、その上でひとを大切にできる今の私とその人なら、一緒に暮らせそうだなと思えたから。

 

 

『お互いが、お互いのままでいられることを尊重しあう。』

 

とてもシンプルで、ときにひどく難しく思えてしまうこのテーマのようなものを、今の私はどんなふうに大切にしていけるのかな。

 

あとは住まいをもう一つもつことで、ラムピリカの流れや動きはこれまで以上に活性化する予感がある。新しいラムピリカが始まる予感がある。

 

 

 

人生の実験はつづく。

ひとを愛すること、自分を愛することの模索は続く。

 

 

『何度でも新しく始められる。』

そんな大前提を抱えたうえで、いつだって「自分を丁寧に生きること」「一緒にいたいと思える人たちとの時間」を紡いで、織っていけたら。

 

そんなことをいま想っている。

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